普段使いのものは厳選してお金をかける
私は震災以来、ものを購入する、ということが激減しました。
物欲が減って、ものがあまり欲しくなくなったのです。
何かを購入する際には、本当に気に入ったものだけを厳選して、買ったから
にはタンスの肥やしにするのではなく、ちゃんと使うようになりました。買い
物のメリハリがはっきりするようになったのです。
たとえば、お茶碗1個に1万円払うのは、もしかしたら高く感じるかもしれ
ません。カップ&ソーサー1客に2万円はあり得ない、と感じるかもしれませ
ん。以前の私はそうでしたから、その気持ちはすごくわかります。
洋服ならいかがでしょう?
実際のところ、普段着のジャケットやスカートに
10万円かけたとしても、着
る機会も多く、使いまわしもできるものなら、1回のランニングコストが低く
なりますよね?
よく使う、時計もかばんも同じです。
時計は毎日身に着けるものですから、
50万円の時計を買ったとしても、
使ったら、1か月のランニングコストはたった2083円です。ハイブラン
ドの時計は、流行に左右されないものが多いので、20年以上使えるもの多いのです。
5万円の時計を、流行遅れなどで2年しか使わなかったら、一か月のランニんさグコストは同じ2083円です。同じランニングコストだったら、時計と5万円の時計、あなたなら、どっちを買いますか?
また、100円均一のお店で買ったお茶碗を扱うのと、1万円で買った職人さんの魂が込もったお茶碗を扱うのとでは、自分の所作も違ってきます。
丁寧にやさしく、女性らしく⋯⋯そのような扱いになるでしょう。
そして、やはりいいカップで飲んだコーヒーの味は、「氣」の込め方が違う
、味も格別に違います。そして、満足感が違う訳です。目で味わい
触りで味わい、香りを味わい⋯⋯いいものを使っていると五感が冴えて
というのを実感します。
に入ったものではない妥協で買った器たちを食器棚にごちゃごちゃと数多
く置くのと、本当に気に入ったものだけを少なく持ち、一つひとつを大切に扱
うのとでは、生活が違いますよね。普段使いにいいものを使うと、どんな変化
が起こると思いますか?
私の知人は、震災で食器の9割が壊れた、と言っていました。しかし、震災
から1年以上たっても、その残りの1割の食器で生活は間に合っているとも言っていました。
この経験は、どれだけ私たちが、必要のないものまで多く持って
ということを教えてくれます。
そして、もし⋯⋯もしですよ。その1割の食器で生活が充分間に合うとした
いいものだけを持ち、毎日の普段使いにもいいものを使っていれば、
もっともっと気持ちよく過ごせると思いませんか?
あなたもご存じのとおり、安物とはあまり長く付き合えませんし、大事に扱うこ
ともありません。逆に、高いものや気に入ったものは長く使っても丁寧になります。
いいものを大事に長く使うために、お金のかけるところを見直してみるのもいいかもしれません。
本当に気に入ったものに囲まれると丁寧に生きられる。