お金の余裕は心の余裕のあらわれ
よく、「お金の余裕は心の余裕」⋯⋯という言い方をしますが、あなたはどう思いますか?
10年以上前のことですが、自分でおもしろい調査をしたことがあります。
友人の以前の会社は高速道路関係の建築会社だったのですが、その会社から、
私にアルバイトしないか?とのお声掛けをいただいたのです。
アルバイトの期間は3日間のみ。高速道路の料金所のETCの入り口で、
「ETCレーンを今工事しているので、高速を降りる際は、一般レーンから降
りてください」とドライバーさんに口頭でお伝ぇし、そしてその説明が書いて
ナラシを渡す、というのが、その仕事です。3日間でしたから、トータルで何千台という車を見て、多くのドライバーと接したことになります。
私は、車が好きなのと、車種を見たときにドライバーがどんな人なのか?
つまり、このETCの不具合を伝えたときに、どんな反応をするだろうか?
などの人の心理的作用などにも大変興味があったので、このアルバイトはとて
も楽しい体験でした。
結果、どんな車種に乗っているのかと、ドライバーの対応の仕方は明らかに心の余裕が関係していました。
一つの傾向としては、一般大衆車に乗っているドライバーは、普通の対応
でした。普通というのは、私がETC不具合について説明したときに、「え?
はぁ〜、そうですか」とか「あ、そっ」みたいな感じです。感じがいいとか悪
いとかではなく、普通という印象です。
一方で、ものすごく仕事で急いでいる方、トラックの運転手や営業車に乗っ
て急いでどこかにいかなければならない人、こういった人は、とても対応が悪かったです。たしかに、ETCが使えないって面倒だし不便なんですよね。だから暴言を吐いたり、私に「とっとと、ETC直せ!コノヤロー!」と言う人もいました。渡したチラシを丸めてその場に捨てる人もいましたし、チラシを手渡した途端その場で手を放されたためにチラシが風に飛ばされて、私が取りにいっ
て危うく車に引かれそうになったりしたことも⋯⋯。もちろん、全員が全員で
はありません。優しいトラックの運転手さんもたくさんいました。が、全体の
傾向としてそういう人が多かったのです。
1高級車に乗っている方は、往々にして礼儀正しく、品性あふれる対応だったように感じました。たとえば、日本車でいえばレクサスとか外国車でいえばフェラーリクラスの車に乗っている方です。
もちろん、なかには見た目が成り上がりのような感じの方で、ふんぞり返っ
て、「あ〜ん?何だってぇ〜?」の人もいましたが、少数でした。高級車に
乗っている方にはそういう態度の方が稀だったのです。これは、自分の固定観
念が打ち砕かれた瞬間でもありました。
高級車に乗っている方の多くは、私の説明を聞いた後、「わかりました。ご
苦労様です」とか「寒いのに大変ですね。がんばってくださいね」とか優しい言葉をかけてくれました。
振る舞いも話し方も表情も、何かにつけて余裕があるので
ここからわかるように、心の余裕がある人は、自分以外の何かが見えます。
「寒い いのに大変だね」とか「ご苦労様です」と感謝したり、相手を気
あったりと、このとき、お金と心の余裕は密接な関係があるのだ！と体験から知ることができました。しかし、誤解してほしくないのは、お金があるから幸せである、と
ということです。アフリカの遊牧民であったマサイ族の人々の幸福度数は、富裕層と同じレベルである、という調査結果も出ているからです
では、お金の余裕がない人は、心の余裕が持てないのでしょうか?
決してそうではありません。
大切なのは、今あるもの、持っているもの、得られているものにいつも集中する、フォーカスすることです。
そうすると、「ない」という気持ちから「ある」という気持ちに変化していくことでしょう。それは感謝の気持ちも育んでくれます。
心と時間の余裕ができると、お金の余裕もできるようになっていますので、
そうなると、プラスのスパイラルに乗って、さらに上昇していくことができるのです。
まずは心の余裕を持とう。そうすれば流れが変わる。
